入浴、温泉(湯治)

お風呂の3っつの効果

1日の仕事を終えて、夜に温かいお風呂につかるのは、まさに至福の瞬間です。
なにも考えず、カラダとココロがリラックスできるのはもちろんのこと、お風呂には医学的にも次のような健康作用があります。 シャワーだけではなく、温かいお風呂にゆっくりと浸かって心身ともに健康になりましょう。

①温熱作用  温熱により皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がり、血流が改善。体内の老廃物やコリ、疲れがとれます。肩こりや腰痛などの慢性的な痛みを和らげたり、筋肉の柔軟性を高める効果もあります。
※打撲やねんざ、筋肉痛になったばかりで患部を温めてしまうと逆効果になるので、注意してください。
急性期の痛みは冷やすことが大切です。

②浮力の作用  水中にある物体には浮力が働き、お湯につかるとその重力は地上の約10分の1に。
カラダの筋肉を弛緩させるだけでなく、足腰への負担も軽減されるので心身ともにリラックスできます。

③静水圧作用   お湯に全身がつかると、腹囲が3~5cmほど縮むとも言われるほど、カラダに水圧がかかります。それにより、下半身にたまった血液が心臓へと戻っていき、血液の循環を促進。むくみの解消にもつながります。ただし、心臓や肺へ負担がかかるため注意が必要です。
そのほかにも、お風呂に入ることで皮膚の毛穴が拡張して毛穴に詰まった汚れが落ちやすくなり、カラダを清潔に保つことができ、水中で体を動かすと抵抗がかかるため、筋力の維持や増強にも役立ちます。

温泉で湯治しよう

日々の仕事や家事で疲れやストレスが溜まったり、まとまった休みがある時は、「のんびり温泉に浸かりたい!」なんて、頭に浮かんできませんか? 立ち上る湯けむりに包まれながら、ゆったりとリラックス…この温かいお湯に浸かる“温泉浴”とは、私たち日本人にとって英気を養うための一種の習慣、文化でもありますね。そこで今回は、「休日湯治」と題して、心や体を癒し、美容や保養の効果が期待できる新しいスタイルの温泉浴“湯治”をご紹介します。

そもそも湯治とは?  「湯治(とうじ)」とは、温泉の効能によって体調を整え、病気やケガの治療に役立てるような温泉療法を言い、医学的に認められた医療法のひとつとされています。一般的な温泉旅行とは違い、少なくとも1週間前後にわたって温泉地に滞在し、特定の病気やケガの治療を行います。また、湯治を行う前に医師などの診察を受け、入浴する温泉の泉質や入浴方法などを明確にしておくことが大切です。ちなみに、体調や治療の目的に合わせてバランスのとれた食事を心掛けるため、豪華な食事などはありません。

注目のプチ湯治  最近では、病気やケガの本格的な治療を目的とした湯治ではなく、生活習慣病の改善やストレス解消・疲労回復を目的とした「プチ湯治」が注目されています。日帰りや1泊2日ではなく、2~3日間温泉地に滞在し、日常の喧噪から離れてゆったりとした時間を過ごしながら、体と心を健やかな状態に戻します。美容・休養を目的とするなら、適量の美味しい食事を楽しむのも効果的です。

知っておきたい温泉の効能と泉質  湯治は目的に合った温泉の効能や泉質を知り、効果的に入浴することが基本です。浸かるだけでなく、飲むことで効果が得られる「飲泉」もあります。また、医学的に「体に良い温泉」とされる療養泉は、含まれる成分によって9つの泉質に分類され、適応する症状もそれぞれ異なります。詳しくは、下記にまとめた表がありますのでご覧ください。


※ご注意ください
温泉の効能は、成分・温度・環境・ライフスタイルといったさまざまな条件によって、体への効果(反応)が変わるので、必ずしも特定の泉質・成分が、特定の症状に効くとは限りません。